廃止?一人オーナー課税の19年度適用法人は9万3千社
民主党が廃止方針を打ち出している一人オーナー課税制度(特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入)について、平成19年度に同制度により納税額が増加した法人数が9万3千社だったことが、政府税制調査会の推計で明らかになりました。
一人オーナー課税制度は平成18年度税制改正で創設された制度。一定の要件を満たすオーナー社長(業務主宰役員)に支給する給与の一部(給与所得控除に相当する部分)について、損金算入を認めないというものです。翌年の平成19年度税制改正で適用要件が緩和されましたが、創設直後からあまり評判の良くない税制でした。
今年度の民主党税制改正大綱で同制度の廃止が明記されていたことから、来年度の税制改正で同制度が廃止されるのは、ほぼ確実だと言われています。
今回、同制度の適用状況が明らかになったのは、政府税制調査会に提出された資料「一人オーナー課税制度適用状況調べ」によるものです。この調査では平成19年度分の会社標本調査等のデータを基にした推計を行い、「同制度により納税額が増加した法人数」を9万3千社、増加税額を672億円としました。
同制度導入当初の財務省予測では、適用法人数5〜6万社の増加税額290億円、翌年の要件緩和時で適用法人数2〜3万社の増加税額160億円でしたから、今回の推計とは相当の開きがあったことになります。
なお、同調査によると、同制度を適用された法人におけるオーナー給与の平均額は2020万円で、その最高額は3億6200万円となっています。
2009年10月29日更新