損害賠償金。佐藤徹税理士事務所 会計事務所

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佐藤徹税理士事務所の税務情報

以下は、当税理士事務所の税務情報の一部抜粋となります。

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損害賠償金と相続税


ひきつづき、自動車事故其の他による人身事故で死亡したときの損害賠償金をめぐる課税関係を整理してみました。
●損害賠償金の支払われるまでの態様
 損害賠償金については、次の2つのケースが考えられます。
@ 損害賠償請求が係争になっていて、その決着がつかないまま遺族に係争が引き継がれた場合。
A その支払いの請求を遺族が行った場合

●相続税は課税が基本?
 財産評価基本通達をみると、訴訟中の権利の価額は適正に評価するものとしているので、課税を基本原則に置いているようにみえます。
しかし、被害者本人の利益のための係争の部分と遺族の利益のための係争の部分が交錯もしています。

●区分が容易ではない
 損害賠償金を構成する内容には、死亡した被相続人に発生した損害賠償請求権を相続したと解される部分と、遺族の固有の権利として、遺族に原始的に発生したと解される部分とが併存しています。遺族固有の権利部分は、当然に相続財産を構成しないし、所得税非課税の規定の適用もあります。
 相続取得分と解される部分について相続税を課税するとなると、按分が必要となりますが、按分はいつでも容易にできるとは限りません。

●保険金の場合とのアンバランス
死の代償としての金銭という意味では保険金と変わりませんが、保険金についてはあるような相続人一人当たり500万円非課税の規定の適用が損害賠償金にはなくバランスを失しています。

●課税実務は相続税非課税
 そんな問題を避けるためか、損害賠償金のうち被相続人について生じたと解される部分は全体の中では副次的部分にすぎず、これを無視したとしても特に課税上弊害があると考えられない、との趣旨で全部を遺族固有の慰謝料・損害賠償金との扱いをしています。相続税非課税ということです。
 すでに現金を手にした人とのバランスは失しますが、損害賠償金への課税が国民感情にそぐわないとの判断が優先しているように見受けられるところです。
平成20年6月20日更新

損害賠償金への課税


自動車事故 航空機事故 海難事故 企業災害などによる人身事故・死亡事故に関する損害賠償金を本人が、取得したときの課税関係を整理してみました。

●所得税は非課税
 所得税法には、心身に加えられた損害に基因して取得する損害賠償金又は突発的な事故により資産に加えられた損害は非課税との規定があります。
 したがって、損害を受けた本人にとっては所得税の課税はありません。(※但し、事業所得の収入補填となるものは課税です。)

●相続税は課税
 損害賠償金を受ける本人が死亡したときの相続税は、どうなるでしょうか。
 次の2つのケースが考えられます。
@ その支払いを受けてから死亡した場合
A その支払いを受けることが確定してから死亡した場合この、@の場合で損害賠償金の支払いを受けてからまもなく死亡したケースや、Aのように受領の権利が確定してから死亡したケースでは、その損害賠償金は金銭や債権として相続財産を構成していますので、遺産分割の対象になるとともに、相続課税の対象にもなります。

●保険金の場合も同じ
 生命保険や退職金にはみなし相続財産の規定がありますが、生前にすでに保険事故が発生し生命保険金や損害保険金を本人が受領することになっていたが、支給が遅れ死後に遺族等に支払われることになったものは、みなし相続財産ではなく本来の相続財産であり、遺産として分割協議の対象になり、相続税法上の課税遺産を構成します。
 同じように生前に退職し本人がその退職金を受け取ることに確定していたが、支給が遅れて死後に遺族に退職金として支払われることになったもの、生前に労災保険金の本人への支給が確定していたが、死亡という事実が生じたために死後に遺族等にその労災保険金が支払われることになったものなども、それらの受給する金銭は、本来の相続財産として課税です。
平成20年6月20日更新

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